ばらいろのウェブログ(その3)

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日本軍「慰安婦」問題についてのパネル展示(10/8・レインボーフェスタ)

 10月8日(土)に、大阪の扇町公園で「レインボーフェスタ!」が開催されます。
 近年は私は、「天皇制社会日本に抵抗するクィア有志」「多数派による場の私物化を許さないクィア有志」などの団体名でブースを出してきました。今年は、日本軍「慰安婦」問題についてのパネル展示を行います。

お詫びもしてお金も渡したのに、どうしていつまでも解決しないの?と思うあなたにも知って欲しい。日本軍が実際には何をしたのかを。

 最近感じるのは、一緒にセクマイ界隈で活動する人達でさえ、日本軍「慰安婦」問題については「よく知らない」という人が多いこと。教科書からも記述が削除されてしまい、ネットでは「慰安婦は売春婦だった」というデマが溢れ、検索しても虚偽の情報が目立ってしまう状態。大手メディアも問題を掘り下げて報道しなくなってしまっていて、ギャップを感じることが何度もありました。


 1990年代、性的マイノリティーの社会運動が大きくなっていった時期ですが、日本軍「慰安婦」問題も、1991年の金学順さんの名乗りでで、大きく社会問題化しました。これを受けて当時は大手メディアでも元慰安婦被害者の証言をはじめ、日本軍「慰安婦」問題についての情報が報道されていました。そして1993年、日本政府も公式に日本軍の関与と強制性を認めて「お詫びと反省」を表明しました。2000年には「日本軍性奴隷制を裁く2000年女性国際戦犯法廷」も開催され、「天皇裕仁は有罪」との判決も出されています。
 ですので、日本軍「慰安婦」問題についての運動を直接担ってきたわけではない私でも、最低限必要な情報には触れながら育って来れました。性をテーマにした当時参加していたグループでも日本軍「慰安婦」問題を取り上げたこともあるくらい、いろんな場所で関心も持たれていました。


 しかしいま、特に若い人達は、日本軍「慰安婦」問題について十分に知らされてきませんでした。「歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意(河野談話)」は、実際には実践されてこなかったのです。
 でもそれは逆に、ちゃんと事実関係を知ってもらったら、若い人達にも分かってもらえる(可能性がある)ということ。そう思って、このパネル展を、レインボーフェスタで開催しようと思います。

日本軍『慰安婦』問題の展示について

 「セクシュアリティの多様性」を実現しようとする時、それは二つの方向性から考えられます。一つは、個人が望むことができること。もう一つは、個人が望まないことを強いられないこと。性的な暴力や強かんそして日本軍『慰安婦』制度を取り上げることは、その後者の立場から「セクシュアリティの多様性」を扱うことになります。言うまでもないことですが「意に反する性行為を強いられないこと」は、「セクシュアリティの多様性」を実現するためには必要不可欠です。
 またしばしば誤解されていますが、日本軍『慰安婦』制度が存在したことや、日本軍『慰安婦』制度が「当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」であり日本政府に責任があることは、「一部の野党の主張」とか「極端な人の偏った主張」などではなく、現在の安倍政権を含む自民党政権でも何度も公式に確認されてきた「社会的合意」です。
 ところが、一部勢力が「慰安婦」問題自体を「なかったこと」にしようと尽力し、報道も減り、今では教科書からも記述が削除されてしまい、基本的な事実関係さえ知らない若い人も増えています。
 今回のパネル展示は、「お詫びもしてお金も渡したのに、どうしていつまでも解決しないの?」と思ってしまう人にも、まず日本軍が実際には何をしたのかを知って欲しい、との思いから開催します。「慰安所は、誰が、どのような目的で作ったのですか?」「『慰安婦』は、誰が、どのようにして集めたのですか?」「誰が、どのように管理・運営したのですか?」などの疑問に分かりやすく答えるパネルです。
 日本軍「慰安婦」問題は、男性中心社会で女性が受ける性暴力の問題であるだけではなく、朝鮮人差別や植民地主義など様々な問題が重層的に重なった課題です。私はこの問題を、加えて、セックスワーク嫌悪や異性愛主義・モノガミー主義にも加担しない形で考えることが大切だと思っています。
 意に反して性行為を強いられることのない社会を創り、セクシュアリティーの多様性を実現するためにも不可欠な取り組みに、ぜひご期待ください。
(フェスタ実行委員会に提出した企画書から引用)

参考資料:日本政府の公式見解

日韓両外相共同記者発表(平成27年12月28日)抜粋
(1)慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している。


元慰安婦の方々に対する小泉内閣総理大臣の手紙(平成13(2001)年)抜粋
いわゆる従軍慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題…私は、日本国の内閣総理大臣として…心からおわびと反省の気持ちを申し上げます。…わが国としては…過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えるとともに、いわれなき暴力など女性の名誉と尊厳に関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。


河野内閣官房長官談話(平成5年8月4日)抜粋
今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
 なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。
 いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。…
…われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。

お願い

レインボーフェスタ!の当日、パネルの設営から店番、撤去まで、人手が必要です。また、ブース代+パネル代+送料などで5〜6万円程度かかる見込みです。 当日のお手伝いや、ブース出展へのカンパという形で、ブース出展を応援して下さい!ぜひあなたの力を貸して下さい。


●お手伝い頂ける方は hip【アットマーク】barairo.net までメールか、090-1156-3039に電話(番号通知で)をお願いします。
●カンパ頂ける方は以下まで送金下さい。
  銀行名 ゆうちょ銀行
  店 名 四四八(ヨンヨンハチ)
  店 番 448
  種 目 普通預金
  口 座 2392398
  名 義 ヒビノ マコト


 

「沖縄差別を解消するために 沖縄の米軍基地を大阪に引き取る行動」が集会を開催(7/12・大阪)


【紹介・7/12(日)大阪市大正区】「辺野古で良いのか?〜もう一つの解決策〜」
「沖縄差別を解消するために 沖縄の米軍基地を大阪に引き取る行動」が主催。意見を異にするところもありますが、参加しようと思います。誰か一緒に行きませんか?
http://okinawabunko.com/information/718.htm

私は、京丹後の米軍基地にも反対です。米国領事が来賓挨拶に来た関西レインボーパレードでは「沖縄にも、京丹後にも、どこにも、米軍基地いらない」と描いた幟を揚げました。つまり、私自身が「京都に米軍基地を引き取ろう」と呼びかけることはありません。
http://d.hatena.ne.jp/hippie/20141014/p1


私にとって「沖縄の米軍基地を大阪に引き取ろう」を聞いた時の、非常に落ち着かない感覚。これが大事と思います。「すべての基地をなくす」考えを「正しさの暴力」だと表現するのは間違いだと思うし、私自身はそういう主張はしません。でも「引き取ろう」と主張したい人がいるのは理解できます。


辺野古がダメならどこに移設するんだ、移設先がないなら基地は固定化だ、みたいな日本政府の方針それ自体を、少なくとも短期的スパンでは変えることができないーもし仮にその条件下で「ではどうするのか」を考えるのなら、「大阪への移設」ー出てきてもおかしくない選択肢。


そして。沖縄に基地を押しつけているのは誰か?ー実際「沖縄差別を解消するために 沖縄の米軍基地を大阪に引き取ろう!」と書かれたバナーを持って街頭でビラを配ったら、人々に極めて明確にメッセージが伝わるような気がします。基地問題が、いきなり『他人事』から『自分事』になる感じ。


沖縄に基地を押しつけているのは日本人だ、という事実を日本人の多数派に分からせるためには、ホントに、こうでも言わない限り無理なのではないか。もしかすると、残念ながら、そうなのかもしれない。くやしい。


現実的に、沖縄現地のいまの闘いと、沖縄の声がヤマトにも少しずつ広がりつつある現状から、辺野古新基地建設を阻止出来るかもしれない。でも本当に辺野古新基地を阻止できても、普天間基地は、オスプレイは、まだ、そこにある。辺野古の基地を阻止しても、沖縄への差別がなくなるわけではない。


だから、実は「辺野古の新基地建設、反対」だけを掲げることは、沖縄差別の延命に過ぎず、単なる偽善でしかない。そもそも「普天間基地の返還を」ではなく「辺野古の新基地反対」と言わざるをえない事が、力関係で負けている。


もちろん問題は日本政府の方針それ自体の方にある。いま辺野古に基地を作ろうとする日本政府の方針は、琉球王朝をつぶして琉球処分をし、沖縄戦で『捨て石』にして多くの県民を殺した政策と同じものだ。独立時に米国に沖縄を貢ぎ、復帰時も「核抜き本土並み」は無視された。今度は辺野古が貢ぎ物だ。


沖縄はヤマトのための捨て石ーそれこそが、歴史的にはずっと、日本政府の方針だった。だから、私は、その日本政府の歴史的に一貫した政策にこそ、反対していきたい。もし私が「京都に基地を引き取る」と言わないのであれば、それが私の引き受ける責任だと、改めて思わされた。


【参考記事】

▼ただひとつの手段は米国に直訴し続けること(植村秀樹)
http://politas.jp/features/7/article/402

> 空軍嘉手納基地は同盟にとって死活的に重要だが、海兵隊基地の重要性について納得できる説明を聞いたことがない。政治的なコストは非常に高いにもかかわらずだ。(マイケル・アマコスト元駐日米国大使(在任1989‐1993年))

辺野古移設問題の「源流」はどこにあるのかーー大田昌秀沖縄県知事インタビュー
http://politas.jp/features/7/article/400
※沖縄差別の歴史が分かりやすくまとめられています。

▼「本土」の私たちは「県外移設」を受け入れるべきだ(高橋哲哉
http://politas.jp/features/7/article/399
> 日本の反戦平和運動は、「安保廃棄」を目ざすなら、県外移設を受け入れた上で、「本土」で自分たちの責任でそれを追求するのが筋だろう。
> 辺野古移設阻止の現場闘争をリードしてきた山城博治氏は、大田昌秀知事が安保の「応分の負担」を「本土」に求めて以来、沖縄は「一貫して」「県外移設」を訴えてきたと書いている(同氏「沖縄・再び戦場の島にさせないために」『琉球共和社会憲法の潜勢力 群島・アジア・越境の思想』未来社、201頁)。「本土」の私たちが問われているのは、この声に向き合うことができるかどうかである。

▼「慣らされていく感覚が怖い」 沖縄で基地とともに暮らすということ(
吉野太一郎)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/07/06/living-in-futenma_n_7734804.html

LGBT映画祭Framelineによる、イスラエルのアパルトヘイトとの共犯関係に抵抗しよう

 先月の6/19(金)から、サンフランシスコ(SF)で、「パレスチナのためのクィア映画祭」である「Outside the Frame」が開かれました。これは、同時期にSFで開催されたLGBT映画祭Framelineイスラエル政府との関係をやめないことに抗議して開催されたものです(確かFrameline映画祭は、米国もしくは世界で初めて開催されたLGBT映画祭のハズです。)。以下はその紹介のウェブページを邦訳したものです。ピンクウォッシングを考える参考までに、紹介です。
(※厳密な訳ではありませんので、だいたいの意味をとる程度にご利用ください)


LGBT映画祭Framelineによる、イスラエルアパルトヘイトとの共犯関係に抵抗しよう

http://outsidetheframefest.org/


 クィア・コミュニティーの一員として、私たちは、イスラエルアパルトヘイトとの共犯関係にあるFramelineに挑戦する映画祭「Outside the Frame」を開きます。この映画祭は、イスラエル政府とのパートナー関係をFramelineが続けているために、Framelineから映画を引き上げた、もしくは上映申し込みをしなかった映画製作者の作品を上映します。映画祭は、帝国主義に反対する闘いの中におけるLGBTQIの映像文化の役割を信じ、また寄与している他の人々からの作品も含む予定です。


 Outside the Frameでは、最先端の映画や、ライブパフォーマンスを上演します。それは、正義のための広い国際運動の文脈の中に、ゲイ/レズビアンの課題を位置づけるでしょう。映画祭では、映画製作者とパフォーマンスアーティストとが一緒に、パレスチナにおけるイスラエルの政策に反対し、イスラエル大使館による寄付金を通じたFrameline映画祭のピンクウォッシング抵抗します。


 映画祭は、クィアの解放運動のルーツに戻り、ラディカルな社会変革の未来をもう一度想像します。映画祭は資本主義に反対し、政府や団体からの支援金を受け取ることを拒否します。全てのプログラムは無料で、全ての人に開かれています。

同化ではなく解放を

映画祭は、解放ではなくて同化が支配的な物語になった事に対して共に疑問を呈することを、全てのクィアな人達に呼びかけます。例えば、ただ単にクィア系の文化企画に資金を出したり、イスラエルプロパガンダに使われるクィア映画制作を支援するだけなのに、イスラエルクィアの"友達"である、という物語です。パレスチナ解放を含む社会正義を求めるクィア活動家として、私たちは知っている。イスラエルクィア解放の闘いを組み入れようと試みているその一方で、イスラエル政府は、パレスチナクィアを含むパレスチナ人を殺し、追放し、権利を否定し続けている。これはピンクウォッシングであり、Framelineは関与をやめなければならない。その代わりに、2005年にパレスチナの人達が呼びかけた文化と学術におけるボイコットに公式に関わるべきであり、パレスチナの人々がボイコットの呼びかけをやめるその時までイスラエル政府との繋がりを絶たなければならない。



背景

http://outsidetheframefest.org/background/


 イスラエルアパルトヘイトに対する闘いは、ここ米国においても、人種的正義のための広い闘いの一部です。私たちは米国の活動家として、米国政府による資金援助と政治的軍事的な支援によってイスラエルが行動していることを認識しており、それは完全に、イスラエル戦争犯罪の共犯です。私たちは皆、解放と平和な世界のための闘いである国際的なBDS運動(ボイコット・資本引き上げ・制裁)に参加しています。「Outside the Frame」は、私たちにとって、クィア解放の文化を創造し探求する場です。参加してください。


 ほぼ10年前、パレスチナ人の闘いを支持するクィア達は、「Frameline(サンフランシスコのLGBT映画祭)」に対して、イスラエル政府と協力することやイスラエル政府から資金を受け取ることをやめるよう働きかけました。これは、イスラエルの虐殺政策に反対するために、ボイコットと資本引き上げと制裁をパレスチナ市民社会の数百の団体が呼びかけていることに、つながっています。電子メールやハガキ、署名、そして、イスラエル政府との協働を望まない多くのクィア達の抗議にも関わらず、Framelineはこの問題を真面目に検討することを拒否しました。


 イスラエルは1948年に建国された事になっています。しかしその前の時代、武装民兵パレスチナ人への虐殺攻撃を行い、人々を追い出し、村を破壊し、土地を奪いました。イスラエル政府はパレスチナ人と交渉する意図がないことを私たちは見てきました。なぜなら、イスラエル政府はアパルトヘイト分離壁を建設し、今もパレスチナに新しい入植地を作り続けているからです。今年初めに、ガザと西岸地区で3000人以上のパレスチナ人を殺したことによっても分かるとおり、これらのイスラエル政府の行いは、今日まで続いています。Framelineがピンクウォッシングとの共犯関係をやめることが、この最近の虐殺でますます重要になりました。


 数年間に渡って、イスラエル政府との関係を維持するという決定における頑固さをFramelineは強めてきました。今年は、アラブのクィアやその仲間たちとこの問題で面会することを拒否するくらいです。Framelineの年に一度の映画祭やFramelineの配給事業から、自分の映画の上映申し込みをやめたり、自分の映画を引き上げる映画製作者の数が増えており、私たちは励まされています。


 

シアトルでのピンクウォッシングに反対する闘いを描いた映画『Pinkwashing Exposed: Seattle Fights Back』

Pinkwashing Exposed: Seattle Fights Back!

ホームページで、全編見れます!ただし英語の映画で、日本語字幕はまだ付いていません。


「BDS & Frameline」:「有色クィア女性のメディアアートプロジェクト」が声明を発表


 サンフランシスコの「有色女性クィアのアートプロジェクト(QWOCMAP)」が、Frameline映画祭のイスラエル政府との協力関係に抗議して映像作品の提供をやめ、声明を発表。
 関西クィア映画祭は、過去にここから作品の提供をうけている。
Queer Women of Color―有色女性のクィアたち
関西クィア映画祭2010


http://hosted-p0.vresp.com/268466/2ea4172d88/ARCHIVE

Dear QWOCMAP Commnunity,


Earlier this Spring, QWOCMAP sent the following letter to Frameline:


After a meeting of the QWOCMAP Board of Directors, we made the difficult decision to not participate in the Frameline San Francisco International LGBT Film Festival or curate a QWOCMAP Screening Program for the 2015 Festival.


We appreciate the decade-long partnership we had with Frameline, which opened up additional opportunities for QWOCMAP Filmmakers to screen their films. The decision to step out of our partnership was not taken lightly. QWOCMAP engaged in considerable thought and discussion on this issue. We believe it is important to give Frameline the opportunity to address the community concerns about the receipt of funding from the Israeli government and related organizations.


We would also like to support Frameline as it increases its openness to community concerns, and encourage the organization to engage in candid public discussion about the nonviolent Boycott, Divestment and Sanctions (BDS) movement. The international urgency of the movement, and the call for an academic and cultural boycott, are important to the future of social justice and the larger LGBTQ movement, of which both our organizations are an important part.


We do hope to partner with Frameline again in the future and we wish to keep the channels of communication open. We are happy to be a resource during what we see as a time of growth and strengthening of both of our missions to better serve LGBTQ communities. QWOCMAP serves an intensely marginalized community that stands at multiple intersections, and we believe that building partnerships and aligning ourselves with other movements is essential to our mission.


We would like to make ourselves available to continue to foster honest and compassionate conversations with Frameline and lend our experience and expertise about how we, QWOCMAP, work to represent and open space for the voices of our diverse and multi-faceted queer women of color, gender nonconforming and transgender people of color community, as well as our families, friends and allies/co-conspirators-in-equity-and-justice. We believe that it is only through sincere dialogue and understanding can we truly be inclusive of the communities we want to serve.

QWOCMAP History


QWOCMAP does not make any decision hastily. We take the time to engage in learning and discussion, and consider the impact and consequences of our actions and our work in the community.


In 2005, a few community members approached to tell us that our queer Latina screenings should focus on immigration. QWOCMAP believed that any exploration of the forces behind immigration and migration in the U.S. should include a multi-racial, transnational discussion that acknowledged Native American/Indigenous/First Nations sovereignty. Which is exactly what we did with our “Multiple Borders” Festival Focus of our 2009 Queer Women of Color Film Festival.


Therefore, when Palestinian civil society issued the original campaign for Boycott, Divestment & Sanctions (BDS) and the call for an academic and cultural boycott of Israel in 2005, the questions for QWOCMAP became:


How can we respond as an organization?
How can we strengthen our practices to meet our mission?
How can we address this injustice in a way that is distinctly QWOCMAP?


With this in mind, we fine-tuned our fundraising policies to ensure that we did not inadvertently accept in-kind donations of goods from Israeli companies or funding from its government. This meant that we stopped soliciting donations from companies like Starbucks, and sought out new information and then focused our fundraising efforts on local businesses and restaurants. This was a difficult choice to make because QWOCMAP is a small organization that provides free programs to our community without any corporate funding, but we were happy to take on the challenge.


Our support of the BDS movement also meant taking individual actions, and stepping up QWOCMAP’s work to amplify the voices of the Southwest Asian, North African/Arab, Middle Eastern, Muslim & South Asian (SWANA/AMEMSA) community. We developed intentional and transnational partnerships with organizations to create an environment of welcome and inclusion, in order to combat the racism and Islamophobia that fuels further oppression of the Palestinian people.


In 2009, we began years of fundraising to support a filmmaking workshop “Bridge To Truth: Queer SWANA/AMEMSA communities,” which took place in 2012. This culminated in a Featured Screening at our Queer Women of Color Film Festival in 2013, which highlighted a panel discussion with filmmakers that bridged LGBTQ rights, spiritual acceptance, liberation struggles and social justice movements. We deliberately declined films that we felt were apologists for Israel’s human rights violations and focused our curatorial efforts on the diversity of the SWANA/AMEMSA community.


In 2010, we decided that “Justice Heals” would be the Festival Focus of our Queer Women of Color Film Festival in 2015, knowing that we could facilitate a dialogue that would explore policing, militarization and foreign policy from the perspective of filmmakers. This year, our Community Conversation “Film & the Nation-State,” explored these issues from Cincinnati, Ferguson and Baltimore to Guatemala and Latin America, to Syria and Palestine in ways that opened possibilities for reciprocal solidarity. It pushed us to become more than allies, to make ourselves accomplices and co-conspirators for justice.


In 2012, only weeks before our 8th annual Queer Women of Color Film Festival, QWOCMAP responded to news that “Israel in the Garden” festival was taking place next to our screening venue by issuing a statement on safety and implementing policies to ensure that our communities remained safe and free of surveillance.


Also in 2012, we began fundraising to support a filmmaking workshop for LGBTQ Muslims of color, which will be “inclusive of all Muslims including those that identify with Islam politically, culturally, religiously, ideologically and/or spiritually.” This workshop will take place in Fall 2015.

BDS & Frameline


When QWOCMAP first partnered with Frameline in 2004, they had accepted funding from the Israeli Consulate off and on over the years. In 2010, that funding became more consistent. At the time, we thought that it was important to maintain a relationship with Frameline, as it allowed us to give opportunities to QWOCMAP Filmmakers, and it gave us the chance to engage in discussions about the BDS movement and the queer boycott of Frameline with many different communities. We were happy to have broad compassionate conversations about social justice that explored the complexities involved, which included acknowledgement of the Holocaust in Europe, the West/Global North deliberately positioning the formation of the nation-state of Israel as a wedge in the Middle East region to support their own foreign policies, and Israel’s former triangle with Apartheid-era South Africa and the U.S. government as an occupying force. Further, these conversations acknowledged the Israeli government’s treatment, abuse, and violation of the human rights of Palestinians, of Muslims and Christians, of Arab people, of Ethiopian and other Jews of African descent, of Southeast Asian migrants, of refugees from Africa, of anti-Zionist Jewish people and of LGBTQ people.


Ultimately, our support of the BDS movement led us to our decision to step out of our partnership with Frameline. We will continue to engage in discussion with them and allow them to respond to community concerns around the ways in which the Israeli government uses its ostensible support of the LGBTQ community to cover up its violations of the human rights of Palestinians and many others.


In order to meet our mission, QWOCMAP relies on listening to the concerns of our community, thorough learning and planning, and being intentional in all of our practices. We believe that by facilitating and broadening discussions about the roots and impacts of oppression, we can all learn about histories, struggles, and connections between social justice movements transnationally.


QWOCMAP strongly believes in the possibilities of political education, and we want our community to have every opportunity to build solidarity as we learn, love and live together while fighting for our collective liberation and justice.


In love and light,
QWOCMAP

パレスチナ/イスラエルとLGBT「ピンクウォッシング」ってなに?「BDS運動」って何?


パレスチナ/イスラエルLGBT/クィア」とか、ピンクウォッシングってなに?とかについて考えるための情報を簡単にまとめたページ。
 関西クィア映画祭実行委員会での内部資料として書いたものですが、興味がある方のためにこちらでも公開します。

ひびのとパレスチナ

 わたしも、2002年にパレスチナに行きました。非暴力直接行動をうたう「国際連帯運動(International Solidarity Movement/ISM)に参加し、イスラエル軍の侵攻下のバラタ難民キャンプに行き、イスラエル軍に逮捕されました。またイスラエル滞在中にテルアビブで開催されたプライドパレードにも参加しました。
 私も、実際に現地に行って現場を見るまでは、イスラエルだけが一方的に悪いように言うのは、紛争の一方に荷担するようで躊躇がありました。しかし実際に起きていることを見てみると、これは確かに「イスラエルパレスチナを侵略し占領していること」こそが問題の根源であること、そしてパレスチナ人は自分たちの権利を守るために(武装闘争を含む)正当なたたかいを続けてきた事を、明確に理解しました。それ以降私は、「どっちもどっち」とか、「イスラエルパレスチナとの相互理解や歩み寄りが必要」とかの言説を拒否し、加害者としてのイスラエル政府に対して、加害行為を止めることを求める立場に立つことにしています。


現にここにある矛盾を顕在化させ イスラエルを自分の位置から批判するために
たとえそこがどこであっても
(「バイセクシュアル」の主張と、パレスチナの国際連帯運動(ISM)の非暴力直接行動への参加、イスラエルで「No Pride in the Occupation」と掲げる反占領の立場のQueerグループのこと、セクシュアリティーの話と反戦運動について、総合的にまとめて書いた文章です)
(ひびのによる)パレスチナ特集

「BDS運動」とはなにか

 イスラエル政府は、パレスチナを不当かつ違法に侵略し占領して、パレスチナ人の権利を侵害しています。これをやめさせるために、パレスチナ市民社会から2005年に呼びかけられたのが、BDS運動です。「イスラエルアパルトヘイト」を止めさせるためのこの運動は、最近では世界的な広がりを見せています。
※BDS:Boycott, Divestment and Sanctions(ボイコット、資本の引き揚げ、そして制裁措置)


国際法および人権という普遍原理の遵守までイスラエルに対するボイコットと資本の引き揚げ、制裁措置を行うよう求めるパレスチナの市民社会からの呼びかけ(日本語)

パレスチナBDS全国委員会(英語)


【具体的取り組み】
ハリウッド女優も巻き込んだイスラエル占領反対運動(日本語・以下同じ)
STOP無印良品キャンペーン(このキャンペーンは成功)
ヨドバシカメラ前で43日間の抗議-日本企業も人事ではない「パレスチナ占領加担」リスク
ストップ!ソーダストリーム・キャンペーン(日本)
▼(京都)殺人ロボットを開発するテクニオン・イスラエル工科大学の研究拠点設置に反対!
▼(京都)イスラエル工科大進出…アジア初


【概要】
対イスラエルBDSキャンペーンの課題

イスラエルボイコット運動とは?

BDSとは

パレスチナ占領・支配への抗議に危機感募らせるイスラエル

世界各国で広がるイスラエル船舶の荷役拒否と BDS 運動(1)/ガザ自由船団ニュース

▼参考資料「ガザと映画祭とパレードと」ver.2(PDF・約500KB)
勉強になる資料です。ちゃんと考えたい人にお勧め。


○この運動は、南アフリカ共和国におけるアパルトヘイト政策を止めさせるために世界規模で取り組まれた、国際的なボイコット運動の成功を背景にしています。
イスラエルに対するボイコットと資本の引き揚げ、そして制裁措置を求めるキャンペーンの成功のために── 南アフリカの経験

「ピンクウォッシング」に反対する取り組み

 「ピンクウォッシング」というのは、「イスラエルLGBTの権利を擁護している、LGBTフレンドリーである」という宣伝を積極的にすることを通して、イスラエルがまるで人権を尊重している国であるかのようなイメージを創り出し、そのイスラエルが同時にパレスチナを不当に攻撃し占領し多数のパレスチナ人を殺している、という都合の悪い事実を洗い流して忘れさせる、という宣伝工作のことです。(「ピンク=セクマイ色」)
 おそらく多くのセクマイ当事者にはそんな意図もないし考えたことがない人の方が多いと思いますが、セクマイ課題の社会運動の現場は、イスラエル政府による世界的な広報宣伝活動の重要な舞台の一つになっています。私自身正直ビックリしていますが、日本のイスラエル大使館も実は積極的に動いていて、関西クィア映画祭宛にさえ、大使館側からの連絡もあるくらいです。という事情があり、セクマイ界隈でのイスラエル政府のやっていることについては「ピンクウォッシング」という言葉まで作られて、世界中で抗議行動がなされています。


バンクーバー・クィア映画祭が「ピンクウォッシング広告」を掲載したため、Sins Invalidは、自身の映画『罪なき罪ークィアと身体障害』を映画祭から引きあげる

東京レインボープライドへの質問:イスラエル大使館のブース出展と出展基準について

《イベント》マサキチトセ×Janis対談イベント「わたしたちのピンクウォシング」

「フツーのLGBTをクィアする」経緯 (2015年4月まで)

翻訳:G. ヒレル「パレスチナのクィアがうんざりしている質問8つ」 (2013)


Outside the Frame映画祭(英語・サンフランシスコ・ピンクウォッシングに反対する映画祭)

映画『Pinkwashing Exposed: Seattle Fights Back』(英語)


関西クィア映画祭とイスラエル問題

これまでの経緯

『0メートルの隔たり』(2005年の作品/89分)
2007年の映画祭では、映画の上映と、ひびのによるレクチャーを行いました。
映画は、イスラエル「建国」時にイスラエルに行った祖父母を持つ、カナダ在住のユダヤ人の監督が、当時の映像もちりばめながら、現在のイスラエルに住むパレスチナ系のゲイとレズビアンカップルを記録したドキュメンタリーです。

ナクバから60年:イスラエルによる占領にも、ホモフォビアにも、反対するために(2008年開催)
※映画『0メートルの隔たり』の上映と、ヨルダン人留学生のお話、そしてひびのによるお話。「ナクバから60年」とタイトルすることは「日帝支配からの解放60年」と書くのと同じで、その言葉だけで立ち位置が鮮明に分かる用語です(ナクバ=大惨事。1948年5月14日のイスラエル「建国」のことを指すパレスチナ人の言葉)。

2009年1月の映画祭会期中にあったガザ空爆に抗議するために、関西クィア映画祭の会場にひびのが掲示した『No Pride In The Occupation』のポスターに対して、で寄せられた意見と回答

「パレスチナではレズビアンが殺されている」にどう答えるか(2009年に開催)

2012年、KQFF開催直前に、米国総領事館広報部による後援決定の連絡を領事館から電話で受けた直後に、イスラエル大使館文化部から映画祭携帯に電話があった(こちらからイスラエル大使館に連絡したことはそれまで一度もなかった)。

『いてはいけない人』(2012年の作品/68分)
2013年の映画祭で、映画の上映と、ひびのによるレクチャーを行いました。イスラエル大使館広報部の方から上映後のレクチャーしに無料で行くよと提案があったが、いくつかのやり取りの後おことわりして、結局ひびののレクチャーだけになった。
映画自体は、「パレスチナのクィアがうんざりしている質問8つ」では、ピンクウォッシング映画の例として明示的に挙げられている作品です

関連映画

『Garden/ガーデン』
山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映。京都★ヘンナニジイロ祭でも上映。

▼『Citizen Nawi』(2007年の映画)
『0メートルの隔たり』にも登場するNawiさんのドキュメンタリー。試写も済ませ、上映を決定し、監督とやり取りする段階で返事が途絶えて上映できなかった作品。
https://youtu.be/7hpGYtm9kd0
http://www.imdb.com/title/tt1092055/
http://ticketing.frameline.org/festival/film/detail.aspx?id=1459&fid=42
http://ticketing.frameline.org/shop/item.aspx?catid=12&id=333

『City of Borders/分断の街で』2009年東京国際L&G映画祭で上映
KQFFでも試写したが、同年は『Citizen Nawi』を選択したため上映しなかった。私は、分かりやすい構図として描かれていたのが物足りなくて『Citizen Nawi』を推した(が、結局上映できなかった)。『0メートルの隔たり』に出てくるビアンカップルが、これにも出ている。

『アウト・イン・ザ・ダーク』(2012年の映画)
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で2013年に上映。同年は関西クィア映画祭ではこの『アウト・イン・ザ・ダーク』も試写した上で『いてはいけない人』の上映を選択した。両作品ともピンクウォッシング映画として「パレスチナのクィアがうんざりしている質問8つ」では明示的に例示されている。

パレスチナ人達の声を伝える短編映像

(情報提供Mさん、ありがとう)


An Interview with A Queer Palestinian (The Inner Circle)
クィアパレスチナ人としての経験(イスラエルとの接点)やイスラム教との関係性について語っています。


Haneen Maikey: Proud, Palestinian, Queer
al-QawsのディレクターHaneen Maikeyがトロントに来た際に、クィアパレスチナ人としてしたスピーチ。

5 PQBDS PSA “This is Violence Against Women"
イスラエルの軍事的占領は女性への暴力である、というPalestinian Queers for BDSが作ったビデオ。

▼Ghannai3anTa3rif(singing sexuality)のシリーズ
https://www.youtube.com/watch?v=ELFTkCrJkpM&list=PLlnBYKx54Vg5wouwCPaRj3BA7ykc1BHaR
詳細については記事:https://electronicintifada.net/content/sexuality-and-gender-taboos-challenged-haifa-project/12486https://electronicintifada.net/content/though-small-palestines-queer-movement-has-big-vision/12607参照
アラビア語です。
al-Qawsが始めた、パレスチナのアーティストや人をフューチャーして、ジェンダーセクシャリティの多様性を訴えるビデオ。

Trans/National (Janani Balasubramanian)
アメリカのトランス/クィア/有色アクティビスト。パレスチナにも何度か足を運んで、ピンクウォッシングについてなど取り組んでいる。
パレスチナイスラエルに特別言及してるわけじゃないけど、男ホルがイスラエル製で打つたびに自分の血管に植民地主義が流れるって言っている。


Liberation in Palestine, A Queer Issue - Haneen Maikey
ロンドンで開催された学会での報告、なのかな。

BDSの判断基準

 上記全てを踏まえて改めてBDSの判断基準を読んでみるとき、いくつか留意すべき大事な点があることを改めて気が付きます。


イスラエルに対する国際的なカルチュラル・ボイコットのPACBIによるガイドライン(2014年7月版)[仮訳]

PACBI Guidelines for the International Cultural Boycott of Israel (Revised July 2014)

○BDS運動は、個人をその (市民権や人種、性別、宗教といった) アイデンティティーやその人の意見によってボイコットすることを道徳的見地から受け入れない。//よって、単にイスラエル人の文化的な活動に携わる者がイスラエルの文化的機関に所属しているという点のみでは、当ボイコットの対象となる理由にはならない。// しかしながら、もしある個人がイスラエル国家やイスラエルと共犯関係にある機関を代表する場合、あるいはイスラエルの「イメージ刷新」戦略に関与するための任務を請け負っていたり、そうした活動の勧誘を受けたりしている場合には、その個人もBDS運動が呼びかけるこの制度的ボイコットの対象となる。


○(a)こうしたイベントやプロジェクトの多くは、不確かで、グレイゾーンにあり、評価をするのが難しい。(b) 重要なことは、ボイコットは共犯的な機関に対するものに限らず、そうした機関に備わっている有機的なつながりに対してのものでもある。そうしたつながりというのは植民地主義的な統治とアパルトヘイトを再生産するものである。(c)戦略的には、すべてのボイコット可能なプロジェクトが、積極的なボイコットのキャンペーンの対象とならなければならないわけではない。アクティビストたちは、彼女ら/彼らのエネルギーをその都度最も優先すべきキャンペーンに注ぐ必要がある。


イスラエルの文化的な作品は(公的なイベントと反対で)、公的なイスラエルの団体によって資金援助を受けており、それ以外他の政治的な縛りがなければ、それ自体としてボイコットの対象にはならない。ここでの「政治的な縛り」とは、イスラエル政府の、あるいは共犯関係にある組織のイメージ刷新やプロパガンダの試みに、直接的あるいは間接的に供することが、資金の受け取り手に課されているという条件がある場合を特に指している。イスラエルの文化的な作品は、その文化的活動従事者が納税している市民としての権利の一部として公的な資金を受け取り制作した場合、政府の政治的なまたプロパガンダ的な利益に供することが縛りになっていないのなら、ボイコット対象ではない。


 ひびの的に解釈するなら、それがイスラエル人によるものかどうかが問題なのではなく、パレスチナ解放という目的に寄与するかどうか、という判断基準で、判断すべき。その際「沈黙」による同意効果を共犯とみなす厳しさや、制度の持つ暗黙の強制力、意図しているかどうかに関わりなく結果として生じる影響への行為者表現者の責任、といった事にも厳しく留意すべき、という感じでしょうか。

【東京・5月2日・映画】もう一つの「私たちのクィアなあり方」は可能か★主流指向のLGBT運動との違いは何か

もう一つの「私たちのクィアなあり方」は可能か
主流指向のLGBT運動との違いは何か

日時:2015年5月2日(土)15時開演
   (カフェは14時から営業)
会場:カフェ・ラバンデリア
   新宿二丁目にある情緒あるカフェです!
   仲通から徒歩すぐです。
   東京都新宿区新宿2-12-9 広洋舎ビル1F
   http://cafelavanderia.blogspot.jp/search/label/MAP
入場無料(但しワンドリンク・オーダー)+投げ銭
DIY形式の企画です。設営や片付けなども、お手伝いください

上映作品

フェンスで囲われ追い出され

フェンスで囲われ追い出され

 公園。そう、若い貧乏なホームレスのLGBTQが集まる公園が、ニューヨークのクリストファーストリートにあった。そこは、長年にわたって人々が集まり、仲間と繋がり、交流してきた大切な空間だった。

 2001年にその公園がフェンスで囲われ、追い出され、仲間たちが集まる場所が奪われた。この実話を描いたドキュメンタリー映画が『フェンスで囲われ追い出され』。

 大阪でも、長居公園の野宿者が大阪市によって追い出される事件があったけれど、それのニューヨークのクィア版なのかもしれない。

(原題:Fenced Out/監督:Paper Tiger Television/21分/2001年/米国/英語/日本語字幕)


商業主義をぶっとばせ!ー「ゲイ同化」へのクィアな応答ー

商業主義をぶっとばせ!

 資本主義に反対し、ギョーカイの外部だけではなく内部にもある権威主義にも反対し、直接民主主義DIY精神(何でも手造り!セックストイも手造り!)を擁護する世界的なアナキスト系企画Queeruption。昨年の「トランス スペシャル」で上映した「ヘルプライン」も、Queeruptionのために創られた作品だ。

 でも実は、そんな場にさえ、同性愛者中心/白人中心の傾向があった。それをどうやって問題化し克服するのか?ドキュメンタリー映画『商業主義をぶっとばせ! - 「ゲイ同化」へのクィアな応答 -』は、複数の世代の人たちで、そして複数の人種の人たちで、フェミニストで資本主義に反対するクィアな人たちで、皆で集まる場を創ろうとするときに起きた出来事を描いている。きれい事だけではなく、Queeruptionの不十分点と、そしてその問題を解決していくための話し合いや努力の過程も含めて、正直に多角的に描いているところが面白い。

(原題:Market This!-Queer Radicals Respond to Gay Assimilation/監督:Paper Tiger Television/28分/1993年/米国/英語/日本語字幕)

趣旨

 例えば同性婚や同性愛者の議員の実現。例えば大企業によるゲイ系企画への出資。もしかするとそういうことも大事なのかもしれないけど、それはクィアなギョーカイの中に沢山ある課題のうちの一部でしかない。業界内部の主流派の、つまり「少数派の内部の多数派」による「分かりやすい」LGBT運動が力を付ける一方で、ますます不可視化されているものは何だろう。
 なぜTRPでは性別を問わないトイレの設置にここまで時間がかかったのか。なぜ渋谷区の"同性パートナーシップ条例”支持者は野宿者を無視するのか。セクマイの運動やコミュニティの中にはどんな民族差別/レイシズムがあるのか。そして、私達とLGBT主流派との間には、何か本当に根本的な違いがあるのだろうか。
 私たちの周りに実際にあるにもかかわらず、なかなか表には出てこない「もう一つのクィア・コミュニティー」を描いた映画の上映と、ひびのまことによるセクマイ運動についての問題提起、参加者同士の意見交換の場を設けます。普段思っていてもなかなか言えないことを、話し合える場にできればと思います。

主催

■主催:天皇制社会日本に抵抗するクィア有志
■共催:関西クィア映画祭字幕管理委員会
■問合せ(ひびの まこと)
 メール hip★barairo.net
 電 話 090-1156-3039
 ウェブ http://barairo.net/