ばらいろのウェブログ(その3)

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テルアビブで今次最大規模の反戦デモ

パレスチナの記事、今日は二つ載せます。
一つは「テルアビブで今次最大規模の反戦デモ」というもの。
岡さんも書いている通り「たとえそれが1967年の占領のみを問題にし、ユダヤ国家の自明性を疑わないものであったとしても」かすかな希望であること。
そして、私にとっては、人口約818万人のイスラエルにおいて1万人のデモというのは、人口比だと人口1億2718万人の日本だと約15万人のデモに相当すること、が、率直にすごいという思いを抱かせます。私たちは、他の課題においても、例えば北朝鮮への経済制裁に反対する15万人のデモなんて、とても作れていないという現実が、あるから。

■拡散歓迎■


京都の岡真理です。
16日(土)、イスラエルのテルアビブで、今回のガザ攻撃が始まって以来、最大規模の反戦抗議集会がありました。


イスラエルのハアレツ紙の報道では数千人、イスラエルの情報サイト+972では1万人が参加となっています。


イスラエルユダヤ系市民の中に、それでもまだ、封鎖・占領の解除こそが平和への道だという声をあげる人たちがいることは、かすかな希望ではあります(たとえそれが1967年の占領のみを問題にし、ユダヤ国家の自明性を疑わないものであったとしても…)。


しかし、2008年-09年のキャストレッド作戦のときには、攻撃開始後10日目にして、テルアビブでやはり1万人規模の抗議デモが組織されていることを考えると、希望よりもむしろ、イスラエル社会が6年前よりもはるかに後退していることの方を実感します。


以下、ハアレツ紙の記事をご紹介します。
集会は午後8時に始まり、記事は、集会途中の9時半にアップされています。文章が一部、未来形になっているのはそのためです。

(ハーレツの記事より)

http://www.haaretz.com/news/national/.premium-1.610850


何千人もの人々が土曜の夜、「方向を変えること:戦争から離れ、平和に向けて」というスローガンのもと、テルアビブで開かれた平和集会に集った。


ラビン広場でこの集会が開催されたのは、ガザとの境界近くに位置する諸都市の住民たちとの連帯集会が行われた二日後だった。


右派のアクティヴィストたちは対抗デモを計画し、同じ時間に近くで開催される予定だ。イスラエル警察は二つの陣営を遠ざけておく計画を立てている。


集会は午後8時に始まり、作家のダヴィド・グロスマン、ジャーナリストのズヘイル・バフルール、[左派政党]メレツの議長ザハヴァ・ガルオン、[左派政党]ハダシュ議長のムハンマド・バラケ、[イスラエル南部の都市]スデロットの住民、遺族の代表、その他アクティヴィストたちのスピーチがおこなわれる予定。


集会ではまた、アヒノアム・ニニ、ミラ・アワド、ヤイル・ダラール、アダム・ゴリツキーらのパフォーマンスも予定されている。


集会は当初、先週、開催される予定だったが、警察と銃後司令部の要請により延期された。テルアビブ地域で当時、1000人以上の集会を禁じていたためだ。


フェイスブックのイヴェント・ページには以下のように書かれている。「戦争と死の苦痛に満ちた一か月が過ぎ、イスラエル社会を二つに引き裂く扇動と憎悪の高波の前で、私たちは、平和と民主主義のためのデモを呼びかけます。(暴力の)次のラウンドは回避できます。私たちは、これまで以上に残忍な戦争、限りない憎悪、私たちの隣人と私たち自身の破壊という深淵に沈み込む必要などないのです。
「合意だけが、長期にわたる安全と、南部および国全体の住民たちにとっての静穏を保証します。[戦争ではない]ほかの道もあるのです――パレスチナ人と即刻対話をすることです。公正な平和、ガザの開放、レイシズムに反対し、ともに生きるためのアラブ人とユダヤ人の確固たる姿勢を確実なものとするために。二国家による政治的解決だけが、独立とジャスティス(公正/正義)、安全保障とこの国に生きる人々すべての希望を保証するのです。」


抗議集会で発言したメレツ議長のザハヴァ・ガルオンは、「首相は惨憺たる結果を招いた、この軍事作戦の結果ではなく、5年間にわたり、和平に向けての外交路線をとることを拒否した結果だ」と語り、ベンヤミン・ネタニヤフ首相を激しく非難した。


またガルオンは首相を、「外交を凍結し、アラブの平和イニシアティブを受け入れるのを拒否し、パレスチナアッバース大統領との対話を9か月も引き伸ばし、合衆国とイスラエルの関係を破壊し、パレスチナの統一政府を承認するのを拒み、入植地建設を大幅に許可し、それらによってパレスチナ人との和平合意のチャンスをことごとく破壊した」として糾弾した。


彼女は続ける、「あなたは、今、あなたが喜んで受け入れようとしている枠組みを、64名もの兵士と民間人、そして2000人ものパレスチナ人の死、50万人近くの住民たちを家から根こそぎにしてガザをおそろしいまでに破壊するという代償を支払わずに達成することができたのです。」


作家のダヴィド・グロスマンはスピーチの中で「この戦争のどちらの側も勝利の青写真を持っていない。あるのはただ、筆舌に尽くしがたい死と破壊のイメージだけだ。どのイメージも、両者にとって敗北を描いている。


イスラエルとハマースのあいだの紛争に軍事的解決などない。南部のイスラエル人の苦しみとガザの人々の非人間的な苦しみを終わらせる軍事的解決などない。ガザの人々を窒息させている封鎖が解除されない限り、イスラエルの人々ものびのびと呼吸することなどできない。」


広場周辺の通りは集会のあいだ通行禁止となった。


[翻訳:岡 真理]
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