カイロ停戦協議
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京都の岡真理です。
カイロの停戦協議は、すでに報道されているとおり月曜深夜(19日(火)現地時間午前零時)、期限切れを迎え、24時間の延長になりました。24時間の延長が期限切れとなるのは、日本時間、20日(水)の午前6時です。
パレスチナの通信社マアーンが、今日、停戦協議の状況について知らせるところでは、
「エジプトが仲介する交渉15日目にして停戦合意が準備されている。イスラエル代表団は、詳細を閣僚に報告するため、カイロを離れた。複数の消息筋は、エジプトの弁護士たちが文書を準備していると語った。[中略]パレスチナ側の党派間で大きな不一致はなかったと消息筋は言う」
http://www.maannews.net/eng/ViewDetails.aspx?ID=721457
この情報が正しければ、双方、合意に達したということになります。
その内容については、間もなく明らかになるでしょう。ガザの封鎖の全面解除が実現されることを祈ってやみません。。。。
以下、アリソン・ドゥジャーによる停戦協議に関する記事をご紹介します。これは昨日、協議が24時間延長される前に書かれたものです。停戦協議に両者がどのような姿勢で臨んでいるかが具体的に述べられています。
カイロの停戦協議はまた、ファタハとハマースが統一政府の再構築に向けて協議する場ともなっているようです。
停戦の期限切れを前に、パレスチナ側は封鎖解除を、イスラエルは「ガザをラーマッラーに」することを望んでいる
http://mondoweiss.net/2014/08/ceasefire-palestinians-ramallah.html
アリソン・ドゥジャー
Mondoweiss / 2014年8月18日
本日、イスラエルとパレスチナの当局者は、今回の停戦が現地時間の午前零時に期限切れとなる数時間前、長期的停戦についてエジプトの仲介で協議し、ガザ地区の封鎖について再検討するために会合を開いている。5日間の停戦は、「プロテクティヴ・エッジ作戦」全体を通して、10回近くの人道的一時休戦のあとで、先週水曜に始まった。
外交チームが先週、3日間にわたり会合を行った。しかし、イスラエルは会合全体に出席していたわけではない。だが、水曜日に、5日間の停戦が発表される数時間前にエルサレムで開かれた記者会見でイスラエルの情報大臣、ユヴァル・ステイニツは、イスラエルの外交チームは協議を通して「ガザをラーマッラーにする」ことを目指すと語った。
この目的に向けて、交渉者たちは、自分たちの主たる任務はガザを、オスロ合意後の西岸と同じように非武装化することであると述べた。「我々が望んでいるのは停戦以上のものだ、我々は、ガザの非武装化を欲している」とステイニツは言った。「別の視点から考えると、ガザはまさにラーマッラーのようになるだろう。経済的見地から言っても、ガザはラーマッラーのようになるだろう。嘘じゃない、ラーマッラーの生活は、ガザよりはるかに安楽だ」、と彼は続けた。
そのような合意のもとで、地中海で治安部隊が小火器を継続して使用することが認められるだろう。現在のところ、治安部隊はハマースが統括しているが、パレスチナの交渉チームは、西岸に拠点を置くファタハを長とする[西岸とガザの]統一チームで構成されているので、カイロの交渉はことによると、ガザの現地政府の再構築についても議論するかもしれない。
パレスチナ人当局者がモンドウェイスに語ったところによると、パレスチナの諸党派間の関係は、前向きで友好的。PLOはガザについてイスラエルと交渉する一方で、何としてもテクノクラートによる民族的同意を得た政府を再建したいと考えている。「我々は初めて、試合の流れを変える力を持っていると感じている」、PLOのスポークスマン、ジャビール・アブーイードは民族統一政府の可能性についてそう語った。
先週の72時間停戦の延長は、双方が永続的協定に到達したいと思っていることを示唆している。「平穏は平穏をもって応えられる。だが、もし、ハマースが爆撃を再開すれば、我々の対抗攻撃はかなり激しいものとなろう」とステイニツは述べ、イスラエルが、空爆の再開を取り下げていないことを示唆した。
カイロのパレスチナの交渉チームは、今年[アメリカの]ジョン・ケリー国務長官が仲介し、4月に失敗に帰した9か月にわたるイスラエルとの直接交渉のときよりも、目立ってより良い立場にある。パレスチナ人当局者たちは、[国際刑事裁判所の]ローマ規定に加盟するための書簡を起草したと語った。これに加盟すればパレスチナは、イスラエルを戦争犯罪の廉でハーグ[の国際刑事裁判所]で訴追することができるが、彼らはこれを留保している。同時に、国連の人権理事会も、ガザにおける38日間にわたるイスラエルの攻撃によって繰り返された数多くの戦争犯罪や人道に対する罪の可能性のあるものについて調査するために動いている。国連人権理事会の報告書は、2015年3月に出る予定。
イスラエルは明らかに、人権調査を不愉快に思っている。ステイニツはそのブリーフィングの半分近くを、これら人権調査について、[調査団メンバーの]法学者は[イスラエルに対し]バイアスがかかっている、ハマースの違法性については調査しない、調査団に軍事専門家がいないことなどを理由に違法であると訴えることに費やした。米国の下院議員スティーヴ・イスラエルがニューヨークポストに語ったところでは、先週、彼が7人の議員らとともにイスラエルでネタニヤフ首相と会合をもった際、首相は、イスラエルをハーグ[の国際刑事裁判所]に訴追するというパレスチナ側の試みを押し返してくれるよう、米国議会の支援を要請した。「首相は我々に、ICC(国際刑事裁判所)に持っていこうとする戦略が絶対に成功しないよう一緒に働いてくれと頼んだのだ」とイスラエル議員は言った。
人権調査とICCに対してイスラエルが懸念するのも無理はない。調査は進行中だが、その事前報告は深刻だ。南部の町フザーアでは、「デイリービースト」のジェス・ローゼンフェルド記者が、浴室に積み重なったパレスチナ人の遺体を発見している。民間人を処刑したことは一目瞭然だ。パレスチナについてのラッセル法廷も、イスラエルに対する戦争犯罪の容疑をさかんに集めている。
ガザの死者の数は2000近く、うち400人以上が子どもだ。国連の避難所は、人道的に保護されたスペースとして不可侵が保障されており、家を追われた民間人が避難していたが、イスラエル軍はそのうち6つの避難所を砲撃した。一例として、[ガザ南部の]ラファにある国連の学校に対する砲撃では、9名が殺され、27名が負傷した。「この特別な施設については、私たちは、33回にもわたってイスラエル軍に対し、ラファのこの学校は避難民を収容するために使われていることを伝えていました。最後に伝えたのは、攻撃の1時間前です」、UNRWA[国連パレスチナ難民救済事業機関]のスポークスパースン、クリス・ガネスは言う。
地上戦の初めの頃、イスラエル軍は3回にわたり、エル=ワファー・リハビリテーション病院を攻撃した。最初の2回の攻撃のとき、病院の職員とまだ栄養チューブや酸素ボンベにつながれていた患者たちは病院の中に閉じ込められた。国際赤十字委員会(ICRC)が2014年7月17日、病院の中に残されている者たちの人道的避難について調整を試みた。3度目の砲撃が始まったのは、ICRCが施設の部長に、イスラエルが攻撃の中止に同意したと知らせようとした直前のことだった。
それでもなお、パレスチナ政府とICCが相対する場でイスラエルの罪を裁こうとしているのは国際社会である。ローマ規定に加盟するのを留保することでパレスチナ当局者は、国連の加盟国が、自分たちのためにイスラエルに圧力をかけてくれる限り、カイロでイスラエルに対し、自分たちの目的を実現するための影響力を行使できる立場にある。もし、イスラエル当局者が、今や8年目に入った封鎖の実質的部分の解除に同意しないならば、パレスチナ・チームはイスラエルをハーグに引き出せばよいのだ。PLOの中央評議会は投票の結果、ローマ規定に加盟するのを支持することを決めた。草の根のキャンペーンもイスラエルをICCに引き出そうと行動を開始している。
「私たちが今、していることに対して彼らができる唯一のことは、集団懲罰です」、アブーイードは語る。彼は、PLOが今日、これまでの何年間よりも強力な政治的つながりをもっていることをよく認識している。
パレスチナのチームは当初、カイロで、人間と物資の自由な移動を認めるガザの封鎖の全面解除と、ガザ港およびガザ空港の再開を求める予定だった。ガザでは2000年まで空港が機能し、2006年に封鎖が始まるまで港も機能していた。現在、交渉者たちは、あるパレスチナ人当局者によれば、封鎖の諸局面を引き剥がすべく努力しているという。しかし、イスラエルが言うには、ガザの経済生活を管理するこれら[海や空に関する]基本的な側面は今回の協議では触れない。「海に関することは最終的地位[交渉]で」とステイニツは言う。代わりにイスラエルは陸上に関してのみガザの検問所を通した人間と物資の移動に焦点を当てるだろう。ガザについて今日、合意に達しなければ、ロケット弾とイスラエルの空爆がすぐにでも再開されるだろう。
[翻訳:岡 真理]
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以上