ばらいろのウェブログ(その3)

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自彊館裁判・勝利和解成立のご報告

 自彊館のKさんの裁判、勝利和解になったようです。今後「性同一性障害」についての研修なども行うと自彊館側が言っているようで、取りあえず、よかったです。Kさん、ユニオンぼちぼちの皆さま、お疲れさまでした!
 で、「この情報、そういえば、まだあんまり知られていないかも」とも思ったので、遅くなりましたが、昨年末に頂いていたメールを以下に転載します。
 また、末尾に、新聞報道も付けておきます。

ユニオンぼちぼちより 自彊館裁判・勝利和解成立のご報告
(☆メールの転送・転載、大歓迎☆)

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みなさまへ

 性同一性障害の差別への謝罪と不当な雇い止めの撤回を求める、自彊館裁判の取り組みを支援していただき、本当にありがとうございます。
 先日12月18日、大阪地方裁判所にて、被告である社会福祉法人大阪自彊館に対し、在職中の職場での不適切な言動を認めさせ、今後、性同一性障害に対する理解を深める取り組みを行うことを約束させ、この裁判は、裁判原告Kさんの勝利和解が成立しました。
 裁判の和解は、裁判に踏み切る前も、裁判中の書面でも、性同一性障害の無理解や、セクハラの事実を認めてこなかった自彊館の姿勢を大きく覆す内容となりました。今回の裁判闘争では、雇い止めの撤回はかないませんでしたが、これらセクシャルマイノリティに対する職場での配慮を欠き、不遇な思いをさせてきたことを認めさせたのは、みなさまとともに粘り強く闘ったからこその成果です。

 大阪自彊館に雇用され、大阪市野宿生活者巡回相談員として1年半にわたり働いてきたKさんは、昨年3月の雇い止め通告より、団体交渉で不当な雇い止めを追及してきましたが、自彊館は雇い止めを撤回せず、性同一性障害のKさんを職場で差別してきたことも認めませんでした。
 「泣き寝入りはしたくない!」と、Kさんが昨年10月に裁判に踏み切った後も、裁判傍聴やカンパなど、みなさまの注目と支援にも支えら、1年以上にわたり、みなさまともに、裁判闘争を取り組むことができました。勝利和解となった12月18日、裁判原告Kさんの笑顔はとても印象的でした。

 ユニオンぼちぼちも、Kさんと出会えたことをきっかけに、セクシャルマイノリティ当事者の多くが、就労の問題を抱えている事実を認識することができました。また、この裁判の取り組みの中で、当事者を始め、多くの支援者の輪が広がり、問題を社会化することもできました。
 裁判闘争は勝利和解で終えることができましたが、この取り組みの中で、労働運動に新たな課題を投げかけられたと思っています。また、Kさんを支える中で培われた支援の輪や、セクシャルマイノリティ当事者・支援者とのつながりを、今後の運動に生かしていければと思っています。

 自彊館裁判の取り組みを支援していただき、本当にありがとうございます。みなさまのお力添えにより、勝利和解まで辿りつくことができました。年明けとなりますが、後日、みなさまの前で、裁判の経過など、詳細をご報告させていただきたいと思っています。年の瀬が迫る中、あわただしい毎日を送っておられるかと存じます。みなさまにも、良いお年が訪れることをお祈りし、ひとまず、勝利和解の速報とさせていただきます。

2007年12月20日

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080110-00000065-jij-soci
地域・写真ニュース | 中国新聞アルファ


ちなみに上記新聞報道、Kさんのことを「男性」と書いていますね。Kさんは例えば「女子トイレを使えなかった」ということを問題化しているのに…。報道が、性同一性障害という言葉を使い、勝訴和解のことを記事にしているのに、その意味を分かっていない記述で、残念です。