ばらいろのウェブログ(その3)

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【お誘い】来週10月11日(土)の関西レインボーフェスタと関西レインボーパレードで「STOP!日本人中心主義」「天皇制社会日本に抵抗するクィア有志」のバナーを掲げよう!


 来週10月11日(土)は、大阪の扇町公園で、関西レインボーフェスタと関西レインボーパレードが行われます。
 フェスタの方には『天皇制社会日本に抵抗するクィア有志』名義でブース出展します。日本社会とセクマイの運動の中に具体的にどんな差別があるのか。レイシズム植民地主義に反対するセクマイ運動をつくるために必要なことは何か。セクマイ・LGBT系の運動の主流化が激しい昨今ですが、共に考え、声をあげていきましょう!
 また、パレードでは「STOP!日本人中心主義」などと大きく描かれたバナーを持って歩きます!7月20日「仲良くしようぜパレード」で掲げた黒いバナーです!
一緒に歩く人も大募集!お気軽にご連絡ください。



問題提起「日本の性的マイノリティー運動の中にどんなレイシズムがあるか」

 パレード名称が「レズビアン&ゲイ」だった頃、バイセクシュアルやトランスジェンダーの主張をしたら「ここでするな/他所でしろ/運動妨害するな」と言われた。今は、オスプレイや沖縄の基地問題、日本のレイシズム植民地主義を問題提起すると、同じ目にあう。
 米国総領事の講演で「オスプレイ反対」を伝えようとしたら主催者に囲まれ妨害された、エイズ文化フォーラム京都。「オスプレイ反対」の看板を持参したらパレード参加を拒否された、虹色どまんなかパレード。クィア学会の日本語要件松浦大悟参院議員の国会質疑「セクマイだって日本国民」
 ガザで大虐殺を行うイスラエル政府がLGBTの人権を持ち出して東京レインボープライドに公式に参加し、沖縄の民意を無視した辺野古新基地建設が強行され、日本社会の排外主義が街頭でのヘイトスピーチとして現れつつある今だからこそ、セクマイ運動とレイシズムについて考えてみませんか。
 関西レインボーパレードでのハガキ作戦や、関西クィア映画祭での取組みについても、ぜひ知って欲しいです。(ひびの まこと)


2014.7.20|仲良くしようぜパレード2014|大阪・御堂筋


 最近は『日本人中心主義に反対するクィア有志の会』という名前を使ったり、今回のように『天皇制社会日本に抵抗するクィア有志』を名乗ってみたり、いろいろ迷いながら動いている感じです。後者の方が包括的に主張を伝えられるけれど、前者は課題を一つに絞った分の訴求力はありますね。名前としてどちらがいいか、これもご意見、お聞かせください。

「ジェノサイドの時代の愛」 詠唱:ハイダル・イード

 以下に書かれている岡さんのお母さんのお話とは異なりますが、私自身も、大学に入った頃、先輩たちが明確にパレスチナを擁護し、「一方的に」イスラエルを批判している(ように見えた)にに対して、素直に賛成は出来ませんでした。それは、紛争に対して「あまりに一方的」に見えたのです。
 でも、実際に現地に行ってみて分かったことは、その先輩たちの路線が正しかったということです。
 イスラエル/パレスチナ間の問題は、イスラエルによる不当で一方的な侵略と占領と、それに対するパレスチナの正当な抵抗です。もちろんイスラエル人にもいい人や素晴らしい活動家もいるし、パレスチナ社会にも問題がたくさんありますが、そういった議論をするためにも、「イスラエルによる侵略と占領に反対する」という立場と認識を明確に確立する必要があると私は今は思っています。南アフリカのダーバンで開催された人種差別に反対する国際会議で、「シオニズムはレイスズムである」と主張されている(それを巡ってもちろん米国が退席するなど大問題になった)こと、そのラインを譲れない一線として動いてきた歴史があることなどを思うと、その思いは一層強くなります。
 話が長くなりました。また転載となりますが、是非お読みください。

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「怪物と闘う者は、自らも怪物とならぬよう心せよ」

■拡散歓迎■


京都の岡真理です。


2008年-2009年のキャストレッド作戦のとき、地上戦を前にイスラエルは、外国人のみガザを出ることを許可しました。そのとき、ガザにいた何人かのインターナショナルズ[占領下のパレスチナ人の人権擁護活動をする外国人アクティヴィスト]は、ガザにとどまることを選びました――彼らの命より、私たちの命の方が価値があるのですか…?と言って。


そのひとり、イタリア人のヴィットリオ・アッリゴーニさんは、キャストレッド作戦のあとも封鎖下のガザにとどまり、パレスチナ人と生活をともにしてきました。しかし、2011年4月、何者かに誘拐され、殺害されました(ハマースはじめ、パレスチナのさまざまな党派が犯行を指弾しました)。

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カイロ停戦協議

■拡散歓迎■


京都の岡真理です。


カイロの停戦協議は、すでに報道されているとおり月曜深夜(19日(火)現地時間午前零時)、期限切れを迎え、24時間の延長になりました。24時間の延長が期限切れとなるのは、日本時間、20日(水)の午前6時です。

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非難など要らない、ただ、友人を返してくれ

■拡散歓迎■


京都の岡真理です。


先ほど、JSRのメルマガ最新号を転送いたしました。その催し案内で、23日(土)、東京の増上寺で開催予定のガザの犠牲者のための追悼アクションが紹介されていました。亡くなった子どもたちの数だけ靴を並べるのだそうです。


他者を非人間化すること(=人間とみなさいこと)が、ジェノサイドを可能にします。
ジェノサイドに抗するとは、死者の数という数字に還元されてしまった者たちの、否定された人間性と尊厳を私たち自身のなかで回復することから始められなければならないのだと思います。たとえば、靴を並べることによって。この靴を履いている身近な愛する者と、ガザの見知らぬ死者を重ねることで、その靴を履いて同じように笑い、走り、生きている彼・彼女らの姿を思い描くことによって……。


ガザ・イスラーム大学で英文学を学ぶ20歳の学生、ムハンマド・マタルの「非難など要らない、ただ、友人を返してほしい」をご紹介します。


きのう、ご紹介したフォト・エッセイ「ガザのたくさんの物語」の著者、サラ・アル=ゲルバーウィーも、イスラーム大学の出身でした。いずれも、大学で学んだ英語を武器に、パレスチナ人個々の生の物語を紡ぎ、世界に向けて発信しています。それは、イスラエルに虫けらのように殺され、死者数という統計数値に還元されていくパレスチナ人1人ひとりの否定された人間性を今一度、私たちの中で回復させるという「レジスタンス」にほかなりません。


人間性を否定する封鎖や占領に抗して武器をもって闘っている者たちもいます。武器を持たずとも、電気があるかぎり、こうして英語で自ら物語を紡ぐことによって、占領や封鎖やジェノサイドを可能にする他者の人間性の否定という暴力に抗して、闘っている者たちがいるということを、ぜひ多くの方に知っていただきたく思います。


現地の情報は、現場に入られたジャーナリストの方々がつぶさに報告してくださるでしょう。ガザのパレスチナ人自身が世界に向けて発信するこれらのエッセイや物語を私が好んでご紹介するのは、それらの書き物自体が、彼・彼女らのレジスタンスにほかならないと思うからです。



非難など要らない、ただ、友人を返してほしい

http://electronicintifada.net/content/i-dont-want-condemnations-i-want-my-friend-back/13763



ムハンマド・マタル
エレクトロニック・インティファーダ / 2014年8月16日


待ってくれ!
国連が会議の開催を呼びかけている。


もしもし?
もしもし。


「元気か、ハーリド?」 ぼくが訊ねる。
「ぼくはだいじょうぶだ、きみは?」 ハーリドが答える。
「元気だ。ぼくたちは家から避難はしたよ。あそこの状況がどれだけ危険か、きみも知っているだろう。昨日、アメリカ製のミサイルのシャワーを浴びたよ。爆発続きで眠れなかった」、ぼくは言った。
「神がきみときみの家族を助けてくださいますように」ハーレドが言った。
「ところでハーレド、シュジャイヤ地区で起きたことをきみはどう考える?」ぼくは訊ねた。
あれは、ジェノサイドだ。
「わかってる。神よ、あれらの罪なき人々をお助け下さい。OK、きみはどこにいるんだい、そこは安全かい?被害はない? ここ、国連の学校にしばらく滞在したらどうだい?人間が住むようなところじゃないけどね、でも、ここなら安全だ。」
国連学校の一つが、数分前、イスラエルの戦闘機の標的とされた。
「ハハ、心配要らないよ。ぼくたちは安全だ。どこよりもいちばん安全な場所にいるよ」ハーレドが言った。
天国にでもいるのか?
「でも、地上部隊がハーン・ユーヌスの東の地域に侵攻していると聞いたよ」、ぼくは言った。
「いや、連中はまだだいぶ遠いよ。ぼくたちは安全だ、心配いらない。」
「何か欲しいものはあるかい?遠慮なく言ってくれ」、ぼくは言った。
「ありがとう、ムハンマド、でも、大丈夫だ」、ハーレドは答える。
「ああ、もう行かなくちゃ。また連絡くれよ」、ぼくは言った。
「もちろん、電話をくれてありがとう」、ハーレドは言った。
「なに言ってんだよ! 親友じゃないか!きみがどうしてるかチェックするのはぼくの義務さ。そんなこと言わないでくれよ。とにかく、自分のこと、気をつけるんだぞ」、ぼくは言った。
じゃあな。


2日後、ぼくは、ハーレドがバイクに乗っているところをイスラエルのドローン[無人機]に狙い撃ちされたことを聞いた。
ハーレド・サハムードは20歳、学生だった。ガザのイスラーム大学で機械工学を学んでいた。


バイクに乗ることが、それほどまでに脅威なのか!?


イスラエルパレスチナ人に対する攻撃を続けるだろう、合衆国が、偏った「国際社会」なるものの監視のもと、この組織的な不正のプログラムを支援し続ける限りは。


ガザのパレスチナ人は苦しみ続けるだろう、イスラエルが、「俺の物は俺の物、お前の物は交渉しだい」という原則を主張し続ける限りは。


非難など要らない。


国連の会議も要らない。


国際援助も要らない。


ぼくは言う、「ぼくのハーレドを返してくれ」


*原文サイトに、海辺に座るハーレドの写真があります。


[翻訳:岡 真理]
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以上