ばらいろのウェブログ(その3)

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 ジェンダーフリーじゃ、ものたりない!? トランスジェンダー映画から性別を濃ゆ〜く考える

関西クィア映画祭 6月プレ企画
2007/6/2(土)ドーンセンター(大阪・天満橋
企画の案内ページ


 「トイレや着替えを男女別にするのは当然」「男女の区別をなくしたい訳ではない」―こんな言葉を聞く度に、心が痛みます。
 近年、「ジェンダーフリー運動」に対する「バッシング派」が、女性差別をなくす運動や性別役割分担を問い直す運動を、そして性的少数者の存在を、ひとまとめにして攻撃しています。そしてその「バッシング派」に対抗する側から、冒頭のような言葉を聞くことがあります。
 こんな言葉を聞くと「ジェンダーフリー推進側も、実は典型的な女性や男性しか想定していないのでは?」「トランスジェンダーの多様性は『バックラッシュ派』だけでなく、ここでも無視されるの?」そんな危惧を抱きます。
 「男女という制度」については、ウーマンリブフェミニストを始め、様々な人たちがそのカラクリを暴いてきました。トランスジェンダーたちの視点は、その歩みを更にもう一歩進めるものだと思います。
 上映映画は、いずれも昨年の関西クィア映画祭で上映された作品で、トランスジェンダーからの視点で創られた映画です。映画を見て、性別について、「男女という制度」について、もう少し濃ゆ〜く考えてみませんか?
 多様なトランスジェンダーの存在を知っていますか?トランスジェンダーの生き難さの原因や、今後解決するべき社会的課題は何でしょう。「男女平等」を踏まえたうえで、それに留まらず、もっと「みんな」にとって公平な社会とはどういうものであるか、話し合いましょう。(ひびの まこと)


※注 トランスジェンダー:出生時に割り振られた性別とは異なる性別で生活しようとする人。性同一性障害の人も含む幅広い言葉。
※注 私たちはトランスジェンダーの多様性を擁護します。トランスジェンダー当事者であっても、この企画趣旨への賛否はいろいろだと思いますが、どなたのご参加も歓迎します。



●企画の概要
日 時 2007/6/2(土)13:00開場 13:20開始
会 場 ドーンセンター5階・視聴覚スタジオ
      京阪/地下鉄谷町線天満橋」から東へ約350m
      JR東西線大阪城北詰」から西へ約550m
      http://www.dawncenter.or.jp/shisetsu/map.html
参加費 第一部(映画4本)1500円 / 第二部(交流会)300円
    (※当日受付でお払い下さい)
主 催 関西クィア映画祭(関西QueerFilmFestival)
問合せ サイト http://kansai-qff.org/
    メール info★kansai-qff.org(★→@)
    電 話 080-3820-2731
協 催 財団法人 大阪府男女共同参画推進財団


●当日の進め方
 まず映画を1本見ます。その後、コメンテーターの方に簡単にコメントをもらいます。その後全員で数グループに分かれて映画の感想を言い合います。このパターンを映画ごとに繰り返します。
 単に映画を見るだけでも充分内容がありますが、その後いろんな意見を聞いたり言ったりすることで、より濃ゆ〜く考えられる、超お得な企画です。

(コメンテーター)

遠矢家永子(NPO法人SEAN代表)
佐久間慶子(女性史・女の運動・女が書く、から越境をめざします)
綾瀬麗次(男好きの「オトコ」嫌い、なんとなくセックスワーカー
森なお(「支えあうTGの会」代表)
武永真(業界一の変態エロリストを目指す若きFTM


●プログラム
13:00 開場
13:20 第1部 映画上映+話し合い
「100%Woman」
「トイレのレッスン」
「若いトランスたち」
「ヘルプライン」
18:30 第二部 交流会
20:30 閉会


●映画の紹介

「100%Woman」

(監督 Karen Duthie, Diana Wilson/59分/2004年/カナダ/英語/日本語字幕)
 トランスしてから6年目となるミシェル(MtF)は、有望なマウンテンバイク選手でもある。友達と両親に励まされ、州、カナダ選手権にも女性選手として参加し、精一杯戦うミシェルだが、ほかの女性選手から「女性としての参加を認めるべきではない」と抗議が続く。
 手術を済ませ法的書類上の性別を変更しても、トランスジェンダーが受ける差別は終わらない。

「トイレのレッスン」

(原題 Toilet Training/監督 Tara Mateik and the Sylvia Rivera Law Project/30分/2003年/米国/英語/日本語字幕)
 トイレ。人が集まる所ならどこにでもあるもの。必要な時に行かない訳にはいかない場所。
 これは女と男を隔離する場所でもある。その隔離を「安全性」や「使いやすさ」のためだと主張する人は、誰の安全性、誰の使いやすさを考えているのだろう。
 「男子トイレ/女子トイレ」に入るときに何のためらいも屈辱も感じず、「男女分け」されたトイレを暴力を恐れずに使えるあなた、もう少し勉強してみませんか?

「若いトランスたち」

(原題 Some of the stories: a documentary about trans youth/監督 Jacob Simpson/34分/2001年/カナダ/英語/日本語字幕)
 様々な性別違和感のある若者たちが、自分の思いを素直に語る。複数のアイデンティティの重なり合いと矛盾。同性愛者コミュニティ内のトランス嫌悪。障害者であること、植民地化の影響など。一人ひとりの複雑さを単純化させようとしない見応えのある作品が、トランスの多様性を描いている。

「ヘルプライン」

(原題 helpline!/監督 Joli(e)/5分/2004年/オランダ/英語/日本語字幕)
「このウィットに富んだ実験アニメーションは、ヘルプラインに電話をした時に、問題が解決するのではなく、逆にもっと話がややこしくなってしまう場合があることを描いています。トランスジェンダーの位置からの予想外の展開をご期待下さい(Joli(e))」


■■■-関西クィア映画祭は、今年も7月に開催!-■■■

●「関西クィア映画祭」とは?
  期 間:2007年7月20日(金)〜7月24日(火) の5日間?
  会 場:HEP HALL(阪急梅田駅下車すぐ HEP FIVE 8F)
  サイト:http://kansai-qff.org/
 関西クィア映画祭は、セクシュアリティー、ジェンダークィアをテーマとした映画祭です。2006年度は1600人の参加を頂き、今年で3度目を迎えます。「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」の上映作品と共に、トランスジェンダーインターセックスの映画も上映するなど、独自プログラムにも力を入れています。

●「クィア/Queer」って?
 クィアとは英語で「変態」のこと。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど、性と性的指向の領域で「ふつう」ではないと考えられている人々が、差別的なクィアという言葉を逆手にとって自称することで、自らの立場をポジティブに捉え直す意味を持ちます。

●日本語字幕貸します
 クィア映画の日本語字幕貸し出します。トークもできます。新歓企画に、授業や講演会で、クィア映画はいかがですか?詳しくはお問い合わせ下さい。
http://kansai-qff.org/jimaku/sakuhin/

●関西クィア映画祭
http://kansai-qff.org/