ばらいろのウェブログ(その3)

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イケメン雑誌「LIKE-boy」

 と、上映会の宣伝はともかく、東京プライドフェスティバルの出店で一番面白かったのが、やっぱりLIKEのブース。この日はLIKE-boy最新号の発売をしていたんだけど、何というか、アキトくんがグラビアページを開いて見せて雑誌を売っている姿が、とってもクィア。パッと見どう見てもグラビアはイケメン雑誌というか、場所が場所だけにゲイ雑誌にしか見えないのよね。写真も、前号は印刷(色)がちょっと残念な感じだったんだけど、今号はバッチリ!さすが写真もスタジオで撮っただけのことはあります。
 LIKE-boy-誌のことはもしかしたらこのブログでは初めてかもしれないので少し紹介しておくと、「Ftm Life Magagine!」と銘打たれ、「僕は女で生まれた」〜男と女の狭間で生きる僕ら〜とサブタイトルを付けているFtM雑誌です。読者参加型を前面に打ち出していて、自分たちで書籍コードも取得し、アマゾンでも売っています。内容も、何か理念的なところから来るというよりも、たくさんのFtMの生活実感から創っている感じがします。「何でも聞いてみよう」「ぶっちゃけないでどうするよ」を地で行く感じ。だからこそ、FtMの多様性もあふれ出ていて、本当にたくさんの選択を僕らは出来るんだということを見せてくれています。
 私の世代だと、雑誌はまずリソグラフで印刷して手売りとかがメインだったんだけど、この雑誌はいきなりフルカラーで書店販売というのも、何かすごいなぁと。
 実はこの雑誌、私が2006年に買った第5号では「専門用語解説」でこんなことを書いていました。

トランスって何?
主にネットで蔓延している俗語で、元々の意味は「覚醒状態」「催眠状態」「別意識状態」「昏睡状態」などの【意識がフツーではない状態】を表す。
その為、GIDの特徴である【性自認の不一致】も、トランスという言葉で表現されているのではないでしょうか。そのトランスからとった『虎』というのも同じ意味…。

 で、私は正直脱帽です。この雑誌、ものすごくちゃんと自己受容や自己肯定を踏まえて創られていて、しっかりしている。にもかかわらず、いわゆるインテリや学者系の言説からそれを獲得したのではないことが、この文章からはっきり分かったからです。だからこそこの雑誌の内容なんだと腑に落ちました。こういうのをこそリブと言うんですよね。最近、なんというか、自分の生活と実感を自分自身で言葉にするのではなく、「学校でセクシュアリティーを学びました」みたいな人が増えてきていて、ちょっと私は正直退屈していたのです。極めて個人的な願望としては、この「トランス」のLIKE版の定義を貫いて欲しいなぁと思っていたんですが、もちろん今発売の最新号にはこの定義は書かれていません。ちょっと残念。
 あと、LIKE編集部の方々はこの前の「第4回関西クィア映画祭」にみんなで来てくれて物販ブースを出してくれたんだけど、ちゃんと売上を出して帰って行くあたりもしっかりしています。それから最新号では「関西クィア映画祭への旅」のレポートも載せてくれているけど、その「あたりまえが揺れた」で引用されている部分がまた嬉しい。関西クィア映画祭の企画趣旨には幾つかあるのだけど、サイト掲載された趣旨文のうちで最もクィアな部分が引用されていて、それがワタシ的には嬉しいかなと。
 と、少し褒めすぎかしら。これは決して、東京プライドフェスティバルのLIKEのテントで私のカバンを預かってくれたことの恩返しではなく、私の素直なLIKEの評価なのですよ〜


 で、この後、LIKEオフ会のレポートですが、眠たいのでまた今度。トッピーさんの「野良トランス」の話や、ヨシノ裁判について議論になったことも、書けるかな。