ばらいろのウェブログ(その3)

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Cプロ:コミュニティーって誰のもの?

 「今の商業主義化されたパレードは要らない」とか、結構過激な発言がバンバン出てくる映画だったんだけど、でもそれを素直にみんな見てくれて、ちょっとびっくり。当初は確信犯的なお客さん10人くらいで見れればいいなという予測だったんだけど、予想外に大人数の集客で、客層が読めず、二丁目だし映画を見て機嫌を悪くするゲイが続出するんじゃないかと少し危惧していたのですが、全然大丈夫でした。よその国の話だから客観的に安心して見れたのかな?「周りを見て、白人ばっかり!」という白人特権を告発する掲示は、もちろん「周りを見て、男ばっかり/ゲイばっかり」「周りを見て、日本人ばっかり」「周りを見て、健全者ばっかり」という問題意識に繋がるハズなんだけど、みんなどう思ったのかなぁ。
 今回の上映会を通して、いろんな団体の愚痴というか問題点もちらほら耳にしたけど、基本的に組織を作るということは「社会的必要性のために、なにかを犠牲にすること」と同義なんだし、だからこそ必ずどの団体にでも問題とトラブルはあって当たり前で、それに対して内部にいる人達が声を自分で上げていくことの必要性と重要性を訴えていたのがこの日の映画だったと思います。そういう内部での問題提起こそが組織の問題を改善する最大のチャンスであり貢献なんだから、是非皆さま、個々の現場でがんばって下さい。応援してます(笑)
 それから、実は私は「東京のゲイ」にはかなりひどい偏見を持っていたんだけど(例えば永易さんとか伏見さんとか、自分の無知を開き直ってマジョリティー指向の運動をしている)、それはそういうサンプルが悪かったということを実感できたのがうれしかったです。性別違和のないゲイ男性の人でも、自分とは違う状況の人のことや自分の持つ特権をちゃんと考えようとする人はいる(むしろそれは有名活動家よりは普通のゲイに多い)という事実を再確認できたことは、ワタシ的にはうれしいことでした。
 最後に、やっぱりこの上映会も、本当に生活がぎりぎりの人達や今日寝るところに困っているような人達ではなく、一定の生活を送れている人達が中心だったと思います。日本のホームレスの状況への関心や質問とかも、ありませんでした。元々はそういう広報しかできていない私たちのあり方の問題なのですが、こんな「金持ちの道楽」のような映画祭みたいなことをやっていていいのか、という思いも、やはり私の頭をかすめた日でもありました。

  • 以前打ち合わせにお伺いした時には、店の奥にはCNT(スペイン全国労働連合)の旗がかかっていたのに、それが企画当日は「PACE」の旗がかかっていたのが、ちょっと残念(笑)そんなに日和らなくて良いのに(苦笑)
  • 企画直前に二丁目仲通りでこの企画のチラシ配布をしたんだけど、そのチラシを見て企画に来てくれた人がいました。さすが二丁目!チラシ配布して、良かった〜