ばらいろのウェブログ(その3)

ひびのまことの公式サイト→ https://barairo.net/

臓器移植法A案が可決してしまった!!


 今日の参議院本会議で、臓器移植法の改訂案・通称A案が賛成138、反対82で可決された。
 議員別の投票結果を見ると、民主党議員の賛否は約半々。最悪でもA案ではなく、A案の修正案が可決、できればE案か、と思っていたんだけど、完全に甘かったです。野党が多数を占める参議院でもこのざまだということ、仮に民主党が今のままでこのまま政権交代があっても今回と同じような事になる可能性が高いということです。昨日も書いたけど、民主党に期待しているとひどい目にあいそうです。
 なんか、解散前に、悪い法律をじゃんじゃん可決してしまう感じがして怖い。




 ただね、何か私たちは一度可決した法律はもう変わらないと思いこむ悪い癖があるんだけど、ホントは議会で多数を取れば既存の法律は廃止できるのです。盗聴法の時は結構しつこく廃止運動が続いた。在野の運動が存在していて強ければ、毎回選挙の度に問題のある法律を争点化して、最終的には廃止とか改正とかできるのだ!ということを、一応確認。米国の反差別法や同性婚だって、何回も何十年間も選挙で争点化して、始めは少数派の意見だったにも関わらず、今では一定の社会の合意を創り出してきたらこそ、可決される可能性が増えてきたことを思い出しておきたい。「今は勝てる見込みの全くない主張」を、継続して社会に対して訴え続けるという覚悟の決まった腰の据わった確信犯の在野の運動こそが、必要なんだと思います。


※マサキチトセさん、トラバありがとう。
児ポ法おぼえがき(キリンが逆立ちしたピアス)はレスしたいなぁ。

以下、臓器移植法について

●今回の改訂は部分的な変更ではない。法の根本を逆転させている
 現行法は脳死状態にある患者本人の提供意思が必須だった。これは身体が不可侵であるという原則があり、例外として本人意思による可侵が認められることを意味する。
 改訂法は脳死状態にある患者本人の提供意思は不用になる。これは身体は可侵であるという原則があり、例外として本人の拒絶による不可侵が認められることを意味する。


●弱いものを法は救わない。
 繰り返すが、意思表示をしていない人で家族・遺族がいなければ、脳死判定をされて臓器摘出されることになった。
 家族・遺族がいない、というのは家族が何らかの事情で形成できない人、家族から切り離された人・法律が常識語として使った家族の範疇に入らない関係を持っている人を含んでいる(「家族・遺族」というのは法律用語ではない)。
 旧臓器移植法も15歳以下で移植を必要とする子供を救わなかったが、その中でも家族にカネやコネのない子供、家族からケアを受けていない子供は本当に救われていなかった(家族に金があるか、コネをつかって募金活動を展開しなければならなかったのだから、両方ないことのみならず、子供をケアする気がない親の子供は本当に救われていなかった)。これから、そういった子供たちはレシピエントになれるのではなく、ドナーになれるのだ。結局、旧法も改訂法も弱いものを救う法律ではない。


最も小さい者の一人にしたのは(性・宗教・メディア・倫理)

 A案の問題点については、森岡正博さん(感じない男ブログ・id:kanjinai)が詳しい。


 あと、法案が可決してから、その法案の問題点や不十分点を解説しているテレビって何よ!でもこのメンタリティーは総無責任体制たる日本の主権者の生き方を象徴している気がして、嫌になります。